天使の羽が降る夜に
「はぁ、はぁ・・あの聖夜は?」
はは~んと言う顔をする。
「何かあった?」
「・・・なんだか聖夜の様子がおかしくて・・・」
「うん」
「いつになったら舜を思い出に出来るのかとか、俺を見ろとか、私との距離が遠いとか言って・・・そのまま」
「・・・なるほど」
「亮介さん・・・聖夜は?」
「ああ・・・ルートに入った」
「え?今日は行く日ではないですよね?」
「うん・・・しかも中が大荒れ」
「ええ!?・・・引き戻す方法は?」
「・・・ない」
「・・・そん・・な・・・」
未紅の目に涙が溢れる。
「未紅チャン」
「・・・はい」
「聖夜のことどう思ってる?」
「え・・・好きですけど」
言って真っ赤になる未紅。
「舜とどっちが大切?」
「え!?舜ですか?」
「そう」
「・・・・・・聖夜です」
少し考えて、でも亮介の目を見てはっきりと言った。
「分かった」
「亮介さん?」
「未紅チャン、聖夜は舜にヤキモチをやいてるんだ」
「へ!?ヤキモチ??・・・だって舜はもう・・・」
「そう・・でもその辺が聖夜の馬鹿なとこ・・・あいつ恋が初めてだから、未紅チャンが考えてるものすべてにヤキモチ焼いちゃってるの・・・ププッ」
「はあ・・・そうですか」
「昔とは逆だね」
「え!?」
「昔は未紅チャンがヤキモチ焼いてばかりだったもんな」
「え?あ・・・あの・・・」
「しかも聖夜、自分がヤキモチ焼いてるって気が付いてないから」
「ええええええ」
「ま、しょうがないよな。恋愛初心者だから・・・ププッ」
そう言って亮介は笑う。