天使の羽が降る夜に
「亮介さん、お待たせしました」
門番がマントを2枚持ってやって来た。
「おう、ありがとう」
亮介はマントを受け取る。
「さて、未紅チャン。ここに2枚のマントがある」
「はい・・?」
「本当は俺が聖夜を追いかけようと思ったんだが・・・」
「?」
「未紅チャン行く?」
「わ、私がですか?」
「うん。このマント新しく作ったマントで、ものすごく丈夫なんだ。今の未紅チャンだったら大丈夫だと思うけど・・・どうする?」
未紅はひたすら考えていた。
「でも、私の飛ぶスピードで聖夜に追いつくことは出来るの?」
「大丈夫。マントが違うから飛べる速さも違ってくるし、聖夜は魂も運んでるから未紅チャンより遅いはず」
「・・・・・分かりました。・・・行きます」
「よし!」
「ちょ、亮介さん・・・本当に大丈夫なんですか?」
門番が慌てて聞きなおす。
「ああ、問題ないよ・・・大天使の能力を馬鹿にしてはだめだ。へたすりゃ俺たちなんかより全然上なんだぞ」
「そ、そうなんですか・・・」
「おう・・・そういやお前と付き合ってる天使ちゃんも大天使目指してるんだったな」
「あ、はい」
「負けないように頑張れよ」
「・・・あい」
「準備できました」
未紅はマントを被り、亮介からもう1枚のマントも受け取った。
「それじゃ、気をつけて」
亮介はひらひらと手を振る。
少し緊張しながら
「行ってきます」
と微笑んで、未紅はルートへ入っていった。