恐い‥けど好き..




東城一夜は寝てる‥

壁に背を預けて

足は伸ばしっぱなし

東城一夜の足を見ながら

小さな声で呟いた

「あ、アタシ東城一夜の足にひっかかって転んだのか」

その瞬間、低い声が聞こえた

「‥フルネームやめろ」

アタシはびっくりして顔をあげた

目の前にはかなり不機嫌な

東城一夜が居た‥

少し怯えながら答えた

「ごめん‥」

東城一夜は不機嫌そうな声で

会話を続けてきた

「名前」

「え?」

「で、呼んだら許す」

「一夜?」

「‥なんだよ」

「いや今‥呼べって」

「黙れ」

「すいません‥」

一生懸命、謝ったのに

一夜は顔をそらしたまま

不思議に思って顔を覗き込むと

一夜はため息をついてから言った

「怒ってねーよ」

その一言に何故か安心して

思わず笑いながら

一夜との会話を続けた

「良かったー‥嫌われたかと思ったよ」

「たかが足あたったぐらいで嫌うか馬鹿が」

「だってスゴイ不機嫌だったし」

「朝は眠い」

「それ理由になってない」

「うるせぇ」




―――‥キーンコーンカーンコーン‥


しばらく会話していたら

チャイムが鳴った

アタシは教室に戻った







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