恐い‥けど好き..




震えが止まらなくなった。

もう会う事なんてないのに

どうしても、思い出す。

逃げられない‥あの人達から‥‥


恐い‥怖い‥‥嫌だ‥ッッ‥‥





息が苦しくなって‥

また、過呼吸だと

冷静に判断する自分がいた


一夜はそんなアタシを見て

戸惑いながら

背中をさすってくれる

少し落ち着いてきて

小さな声で一夜に話した。


「‥‥ほん‥と‥なの‥‥?」

その瞬間、一夜の手が止まって

‥‥しばらくしても

一夜は話さないから、

一夜から少し離れて顔を見た。

その瞬間、アタシは一夜に

抱きしめられた。

一瞬しか一夜の顔は

見れなかったけど

一夜は、泣いてた‥‥‥

震える声で話しかけてきた

「‥謝って‥許される事‥じゃねえけど‥ごめん‥ごめん馬緒‥ごめん‥」

何度も何度も謝られて

アタシは辛くなった。

実際に襲われたわけじゃなく

襲われかけて、襲わなかった人

安全な場所までわざわざ

連れていってくれた‥

一夜は謝る事じゃない。

アタシは憎んでないのだから‥

アタシは震えている一夜を

そっと抱きしめた。











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