あなたの心がほしい……。
っ!?
沙「何で何で死んでないの!?何で助けるの!?死にたい嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ー!!」
暴れる彼女を止める医者と看護師。
僕は何にも出来なかった。
彼女は涙を流しながら、
苦しそうに叫んでいる。
いつもの強気な様子は微塵もなかった。
沙「イヤァァア─────────────!!」
――――――――――――
医「少し様子を見ますんでまた、1週間後に来てください。」
その言葉を聞いてもう、1週間。僕は再び沙羅さんの元へ。
ガラガラガラ―
京「沙羅さん…?」
沙羅さんに声をかける。
沙「…………。」
京「体の調子はどうですか?」
沙「…何しにきたの?」
今まで見たことのない瞳。
もう、悲しさや怒りなど何にも感じられない。彼女は“無”だった。
京「あの……。」
沙「…帰って。」
京「えっ?」
沙「帰ってよ。」
どうしてそんなこと言うんですか?
目には見えなくても、無表情だったとしても僕にはわかるんです。
京「…帰りません。」
沙「なっ!?」
ほんとは寂しいんですよね。
こんな広い所に1人で…。
僕は彼女を抱き締めた。