オレの宝物。それは君の笑顔【完】
だが、そんなに甘くはなかった。


春休みに入ってすぐの大会から、オレは試合に出られなくなってしまったのだ。


「織田は怪我をしている」。


主将の、たったひと言で。


しかも、監督までもが主将の言葉を信じてしまい、オレは練習すらさせてもらえなくなってしまった。




校庭の桜の花の下で、オレはぼんやりと考えていた。


オレの夢は、全国大会に出場すること。


それが、小学生の時からの、夢。


チャンスは、あと2回。


しかし、香奈と別れない限り、主将は試合に出してくれないだろう。


このままだと、チャンスは主将が引退した後の、たったの一度だけ。




……もし。


もし、オレが「別れよう」と言ったら、香奈はどうするだろう。




練習に打ち込む正人たちを、オレはぼんやり眺めていた。

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