オレの宝物。それは君の笑顔【完】
昼休み、加納にプリンを渡すためにやって来ると、


「またなんか忘れたのかよ」


トミが呆れた顔をした。


「違うよ。これ、加納に渡しといて」

「あ、なに、タカも加納から情報提供してもらってんの?」


オレが持って来たプリンを見るなり、トミは訳のわからないことを言い始めた。


「加納の情報網って、マジ、すごいよな。オレも何回か教えてもらったことがあるけど、知らないことはない、ってカンジ」

「……へえ。そんなにすごいんだ?」

「ああ、加納と北原っていつも一緒にいるじゃん。

小学校からずっと同じクラスなんだけど、実は先生の弱みを握ってそうさせてるらしいぜ」


これは、冗談だとしても。


加納は、給食のデザートと引き換えにいろんなことを教えてくれるらしい。


正確・迅速・秘密厳守をモットーにしていて顧客(?)も多く、給食の時間、加納の前にはデザートが山のように積まれることもあるという。

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