オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「知らね~。だけど、両想いっぽくね?」

「あ、『ベストカップル』、あの2人にしちゃおうかな」

「お~、いいじゃん。オレもそうしようっと」


トミと英治が面白がると、


「じゃあ、私たちも負けてられないわね。『ベストカップル』」


柚夏子がさらにふざけてオレの手を握ってきた。


「バ、バカ、やめろよ」

「なに、おまえら、つき合ってんの~?」


裕太が大声を上げ、


「なになに、織田と鈴木さん、つき合ってるの?」


近くにいた女子が騒ぎ始めた。


「つき合ってないって」


すぐに、強めに、否定したが。


「テレなくてもいいじゃ~ん」


騒ぎはなかなか収まらず、教室の端の、北原にまで聞こえてしまったようだ。


ほんの一瞬だけ重なった視線は、すぐに逸らされて。


まるでオレを拒否するかのように、北原はもう、こちらを見てはくれなかった。

< 60 / 233 >

この作品をシェア

pagetop