オレの宝物。それは君の笑顔【完】
その夜。


「昨日はごめん」


北原に会うとすぐ、謝った。


北原はしばらくうつむいていたが、


「サッカーの試合、見に行ってもいい?」


消え入りそうな声をもらした。


「いや……」


「織田くん……私と一緒にいるの、友達に見られたら、イヤ?」


「そ、そういうワケじゃなくて――恥ずかしいからで――」


オレは慌てて否定したが、北原は目を逸らしたまま歩き出した。




それから、2人は沈黙したままで。


家に着くと、


「明日から文化祭までは、ピアノ、行かないから」


最後まで目を合わせることなく、北原は家の中に入ってしまった。

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