オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「――見て」


不意に、加納が写真を差し出した。


花火大会の日の、北原とオレ。


とても幸せそうな笑顔の、写真。


「いつの間に撮ったんだよ」


言いかけて、やめた。相手は加納だ。


「香奈、すごくキレイでしょ」

「……うん」

「おだっちの隣りにいるからだよ」


言いたいことは、なんとなくわかった。


「……でも」


オレはまだ、こだわりを捨て去ることができなかった。


「……そう」

「あッ」


加納は、写真を真っ二つに破った。


北原と、オレを、真っ二つに分けた。


「おだっちには、香奈、任せられない」


破った写真をオレに押し付け、加納は去って行った。

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