《短編》幼馴染のその後に
『…てゆーか、まだわかってないみたいだな。』


ため息をつき、タケルは窓を指差した。


『アレを見なさい。』


言われた通り、あたしはその指を辿る。



「―――ッ!」


その瞬間、目に映っている景色に絶句した。




『大成功♪』


その窓は、あたしの部屋の窓と繋がっていて。


なのに何故かそこには、見慣れた二つの顔があって。


結衣と七海が、笑顔でこちらに向かって手を振っていて。



「…どーゆーこと…?」


戸惑いがちに、目線を泳がせた。


だって、どこに焦点を定めて良いかすら、わかんないんだもん。



「…何であたしの部屋に、結衣と七海が居るの?
てゆーか、“大成功”って何?」


だけど窓を開け、タケルは二人に向かってブイサイン。


もぉ、わけがわかならい。


ここは、夢の中?


あたしは今、夢の中にいるんですか?


だけど、そうじゃないらしい。



『…美咲、まだわかってないの?』


声を上げたのは、向かいであるあたしの部屋の窓から顔を出す七海。



『全部作戦だったんだよ♪』


と、同じように顔を出している結衣も言う。



作戦…?


えーっと…?


どーゆーことだ?


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