泣いた赤色、うたかたの青
泣いた赤鬼。
あなたは聞き覚えのあるタイトルに、幼い頃の記憶を辿る。
「昔話ですよね?
人間と友達になりたい赤鬼がいて、
友達の青鬼が協力してあげて、
青鬼が村人を襲って、赤鬼が村人を守る。
それで赤鬼の心が優しいことを知った人間たちと赤鬼は仲良くなるのだけれど、
友達の青鬼は嫌われてしまって、村を追われて、
──それで、赤鬼が泣くのでしたっけ?」
ちょっと切ない話だな、と思いながらあなたが言うと、マスターは首を振って、
「昔話ではなくて、浜田廣介という人が書いた児童文学ですよ。
それからラストで、青鬼は自分からいなくなってしまうのです。
人間に悪い鬼だと思われた自分と一緒にいたら、赤鬼までその仲間だと思われてしまうから、と置き手紙だけ残してね、
それで──」
──赤鬼は泣くのか。
あなたは聞き覚えのあるタイトルに、幼い頃の記憶を辿る。
「昔話ですよね?
人間と友達になりたい赤鬼がいて、
友達の青鬼が協力してあげて、
青鬼が村人を襲って、赤鬼が村人を守る。
それで赤鬼の心が優しいことを知った人間たちと赤鬼は仲良くなるのだけれど、
友達の青鬼は嫌われてしまって、村を追われて、
──それで、赤鬼が泣くのでしたっけ?」
ちょっと切ない話だな、と思いながらあなたが言うと、マスターは首を振って、
「昔話ではなくて、浜田廣介という人が書いた児童文学ですよ。
それからラストで、青鬼は自分からいなくなってしまうのです。
人間に悪い鬼だと思われた自分と一緒にいたら、赤鬼までその仲間だと思われてしまうから、と置き手紙だけ残してね、
それで──」
──赤鬼は泣くのか。