イジワルな俺様の秘密ライフ
校門に着いた私は、驚愕のあまりポカンとくちを開けたまま、ぱちぱちと瞬きをし、見間違えかと何度も目をこすった。
学校屋上から、大きな垂れ幕が校舎にかかっている。
『祝!! 学園No1・桜野 亜弥』
『桜野 亜弥、堂々1位』
エトセトラエトセトラ。
「なに、あれ……」
茫然と佇む私のカバンから、ケータイ着信の音が鳴り響いた。
ディスプレイには『ナツ』の文字。
さっきの返事だ。
通話ボタンを押してケータイを耳にあてる。
そしてケータイから再び校舎に視線を上げたとき、私は思わずケータイを取り落としそうになった。
「も、もしもし。ナ、ナツ……」
『あ、もしもしアヤ? 今どこに──学校──きいて──』
断片的に聞こえてくるナツの言葉が耳を素通りしていく。
私は震える声で言った。
「なんなの、これ……っ」