イジワルな俺様の秘密ライフ
「な……なによっっ!!」
悲鳴混じりの私の声はナツに届いたろうか。
驚きのあまりケータイを持つ手にチカラが入り、電源ボタンを押してしまった気がする。
でもそんなことに構っている暇はなかった。
何故なら、校門のあたりにいた生徒たちが皆、こちらを振り返ったからだ。
それだけではない。
ジリジリと間合いを詰め、私に向かって来ている。
しかもその数はどんどん増え、果ては校舎の中からも外に出てきているのだ。
「な、なんなの……!?」
一様に笑顔なのが更に気味悪い。
垂れ幕と何かが関係あるんだろうか?
じわじわと四方から距離を縮められ、私はとにかく見知った顔を探した。