イジワルな俺様の秘密ライフ
なんだかんだで意気投合し、お互いをナツとアヤと呼び合う。
「アヤんち、どのへん?うちは白川の方なんだけど、近い??」
と訊かれ、両親が海外赴任のために学校の寮に住むということを教えると、ナツの顔が複雑な顔になった。
「う~ん、アヤは外部受験だっけ?
うちの寮さぁ…住んでる人、あんまいないんだよね」
「え?そうなの?……もしやボロいとか……?」
この高校はエスカレーター式で、だから寮なんてものもあるんだけど、
ナツは付属から上がってて、高校のことや寮のことは詳しいみたいだった。
「んーん。ボロくはないよ。むしろ新しいと思う。
だけど、住んでる人が住んでる人だからさ……」
歯切れの悪いナツに、私は不安になりながら先を促した。
「寮には、今、男子しかいないんだよね……
海翔様が住んでるから」
海翔様?
「あ~、海翔様ってのはね、澤原 海翔(さわはら かいと)様っていって、澤原グループの御曹司。
学校でもそのルックスからちょっとした有名人なんだ」
そういって、驚愕の事実を教えてくれた。