最初で最後
リビングに入れば、俊也がくつろいでいる。
恵里はと言うと、俊也の隣で体育座りで座っている。

でっかい家…。
大きい家って事で、少しゴテゴテしてたのを想像してたけど、
案外そうでもなく、シンプルだ。
さっきの話からだと、ほぼ1人暮らしの所為か家具は凄く少ない。
部屋の中は白…というか薄い青(水色というか、何か水で薄めたような色だ)で
統一されている。

不思議な空間で何となく落ち着く。


「…綺麗ですね」

「家具が少ないからな」


2つあるうちの、俊也たちが座って居ない方にセカバンを
放り投げ、素っ気無く答える。
そのまま、広いキッチンにある冷蔵庫を開けて何がいい、と気を使ってくれる。

俊也は何の遠慮も無く麦茶ー、と答える。
恵里は遠慮して中々言い出せないみたいだったけど、
俊也と同じで良いみたいだった。
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