俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
昇降口から外に出ると、身体中を寒気が包み込んだ。
確かに、今日はすごく寒い。天気予報は間違っていなかった。
「寒いなあ、柚。いくら着込んでも冷えるな」
「そうだねえ。手袋してても手が冷たいー!」
凍えながら、ふたりで校門目指して歩く。
……言わなきゃ、伝えなきゃ。
あたしの諦めきれない、気持ち。
「池谷く――」
「やっぱ、俺って頼りなかった?」
「え……?」
少し先を歩いていた池谷くんは、身体をクルリとあたしのほうに向けて、寂しそうに笑っていた。
池谷くんは、知っていたんだ。
あたしが今から伝えようとしている気持ちを。
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