『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
『今日生きている奴が明日も生きている保証が無い。』


『今日笑っている奴らが、明日も笑って居られる保証が無い。』


『敢えてジャンヌちゃんの言葉を借りるなら、それこそがこの時代の普通だったのかも知れない。』



『平和な村に暮らす人々への略奪や殺人を暇つぶし程度にしか思わない軍の奴ら…』


『俺の両親はそんな時代を生き抜く為に、一つの村に居座るのでは無く、数々の村を転々とし、平和な村へ平和な村へと次々と移住して回る人間だった。』


『そんな俺の両親も結局は移動先の平和な村にやって来た軍の略奪行為の争いに巻き込まれ死んじまった。』


『当日まだ8歳だった俺は一人で生きていく術を知らず、当然頼る親戚なども居なかった。』


『まぁそんな争いが多い時代だからな。俺みたいな境遇のガキは珍しくも無かっただろう。』


『実際、俺の親友の“ハイド”もそんな境遇だったしな。』


『俺が両親を亡くしたあと、唯一信頼していた親友。その名は“ハイド”。』


『俺とハイドは互いに親は無く、行く宛も無く、まさに似た者同士だった。ただ生きる事だけしか考えない。』


『そんな二人の共通点をキッカケに俺とハイドは出会ってからすぐに意気投合し、共に力を合わせ、同じ時代を生き抜いて来た戦友だった。』


『俺とハイドは互いに力を競い合うライバルでも有り。』


『そして残された最後の家族でも有った。』


『そんな俺とハイドがつるみ始めてしばらくすると、気が付いた頃には、周りの奴らからは“ハイ&ロー”なんて呼ばれて大の大人ですらあまり近寄れない様な存在にまでのし上がっていた。』


『そんな俺達は生きる為になら何でもした。』


『食料を奪った…』


『服も奪った…』


『金も奪った…』


『剣も奪った…』


『俺達を殺そうとした奴らの…人の命すらも奪った…』


『挙げ句の果てには自分達が殺した奴らの亡き殻から遺留品すらも奪った。』
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