『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
そして、俺はそのオッサンに、言った。



『あの〜、失礼ですけど、アンタ“地球人”じゃ無いでしょ』


すると、オッサンにも俺の言葉が理解出来たらしく、返事が返って来た。


『失礼だなぁ〜君は。』


『私も一応“地球人”だぞ』


『じゃあ、何でオッサンはさっき、“私の言葉が分かるか?”って聞いて来たんだよ?』


『今の地球の人々は“言葉を統一”したから外国人でも皆同じ言葉だから通じるのは当然だろ?』


『もし、本当にオッサンがその事を知らないんだとしたら“地球人”じゃ無いかもって思って』



すると、そのオッサンはこう言った。



『なるほど参考になったよ。ありがとう』


『は』


『いや、実は私は火星に住んでる“地球人”なんだ』


『えオッサン、それ意味分かん無ぇよ』


『なんだよそれ』


『“そのまま”の意味さまぁ、どうでも良い話しだ。忘れてくれ』


『じゃあ私はそろそろ帰るとするか』



そう言ったオッサンの表情は何処か悲しそうな表情にも見えた。


俺は咄嗟にオッサンに言った。



『オッサン元気出せよ生きてりゃそのうち良い事あるって』



すると、そのオッサンは俺達に背を向けたままこう言いながら手を振って去って行った。



『ありがとう』


『それと、私の名前は“神道”だ神道明』


『まぁ、君達とは“もう”会う事は無いだろうがなぁ』


『頑張れよこの時代の“Messiah”ちゃん』


(何だ?“この時代のMessiah”って?…)


『ジャンヌ、今の人、知り合い?』


『いや…全く知らない…』

『え?でも、あの人ジャンヌの事知ってそうだったわよ?』


『良いんじゃ無ぇ?別に…』


『“もう会う事は無い”って言ってたし。』


『それより、俺達も早く行こうぜ』


『うん』



そうして、“神道”と言うオッサンは、俺達の前から姿を消し。俺達も公園を跡にした。
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