『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
するとロベールはこう返して来た。



『そうだなぁ。恣意て言うなら“今、君が王を手に掛け無かった”それ自体が君が一番欲した君自身の全ての答えじゃ無いのか?』


『俺自身の答え?』


『君は決め付けて居たのかも知れない…』


『君から全てを奪った“この国”。』


『君の手を薄汚れさせた“この時代”。』


『そして、それら全ての上に君臨する国王が“一番汚れた存在”だと。』


『君は事実と真実が“イコール”だと思って無いか?』


『“事実”と“真実”?』

『確かに君の言う通りこの時代のこの国は不安定で荒れ狂う海の様だ。』


『それを君の言葉に置き換えるなら。この国は今、正に“腐った国”とも言えるだろう。』


『そしてここにおられるこのシャルル様は正にその腐った国の王だ。』


『しかし、これは単なる“事実”でしかない。』


『それじゃ何の答えにもなってねぇよ分かんねぇよそんなの』


『そうか。じゃあもっと君に分かりやすく君の身近な事に置き換えるとしよう。』
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