『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第10節『希望の村と最強の名』

―ユリウス歴1425年―


―フランス―



俺はローの後を追い、とある村の入口に差し掛かった。


そんな俺の目に最初に映ったのは村の入口に書かれた看板の様な物だった。



〔J・J・l〕



その俺が見た看板らしき物には俺の元居た時代の歴史文字授業で見た事がある昔の文字、ローマ字で“J・J・I”とだけ書かれていた。


俺はこの3文字が何の事なのかさっぱり分からず、そのまま俺は、その看板を指差し、ローに尋ねた。



『なぁ?ロー。この看板見たいな木の板に書かれた“これ”一体何なんだ?』



するとローは困った顔をしながら、頭を掻きながら、こう答えた。



『そっかぁ〜…そりゃそうだよなぁ〜。』


『何だよ?速く教えろよ。』


『いやさぁ。考えて見れば、ジャンヌちゃんはこの時代より遥か未来から来たんだもんなぁ。』


『何を今更…んな事最初に話しただろ?』


『第一、ローの方が先に“俺が未来から来た事”を言い当ててたじゃんか。』


『いや、そうなんだけどさぁ。ジャンヌちゃんは遥か未来からきたんだろ?』


『だ・か・らお前は何回同じ事言わせるんだよ俺はっ―』


『じゃあ、聞くけどさぁ。』


『え?』


『良く考えても見ろよ?そんな遥か未来から来たジャンヌちゃんとこの俺が…いや、むしろこの時代の奴ら全員。』


『勿論、ドンレミ村に居たジャンヌちゃんやジャンヌちゃんの家族、それにあのドンレミ村の近くの森で出会った盗賊達。』


『何でそんな簡単にも言葉が通じるんだ?』


『え?…』


(そう言われて見ればそうだ…)


(俺…最初にこの時代のジャンヌと話した時に話しが通じてたから何の違和感も無く、この時代の人達と話してたけど…)


(何でそんな簡単にも話しが通じるんだ?)



俺とローは共に、疑問を抱いた。
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