『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
すると、俺がローを殴った所を見たさっきのリーシャが俺にこんな事を言ってきた。



『ダメ〜』


『ん』


『パパをイジメちゃダメェェ〜』


『イジ―って…あ〜その〜何だ?え〜っと…あそうパパが俺にセクハラしてきたんだよ〜。』


『それで仕方なく〜』


『セクハラ?…ってな〜に?』


(あ、そっかぁ〜この時代には…ってかまだ子供には分からねぇか…)


『リーシャ?“セクハラ”ってのはなぁ“と〜〜っても悪い事”なんだよ〜。』


俺がそうリーシャに教えると、リーシャは怒った顔で俺に言った。



『パパは悪い事なんてしないもん…喧嘩はダメ〜パパとママは仲良しさんじゃなきゃダメなのぉぉ〜』



とても小さな子供とは思えない剣幕でリーシャに怒鳴られた俺は、地味に罪悪感に苛まれ、ついリーシャに謝ってしまった。



『ゴメン。ゴメン。分かったから俺が悪かったパパを殴ってゴメンな』


『んじゃママはパパに仲直りのチューね』


『え"そ、それはちょっと〜。』



俺は困った顔をしながらローに合図を出した。



『な、な〜…パパもそれは困るよなぁ〜?』


『いや〜別に…俺は大歓迎だぞ』


『…あ"……パパも、こ・ま・る・よ・ねぇ』



俺はローを睨みつけながら再びそう言うと、ローも観念したらしく、ローもリーシャにこう言った。



『あ、ああパ、パパも困るなぁ〜。』



するとリーシャは残念そうな顔をしながらこう言った。



『じゃあ仲直りの握手で善いよ。…』



それを聞いた俺は、ローの下へ行き、ローと握手をした。



『はいパパ〜あ・く・しゅゅ〜ぅ』


“ギュ〜ッ”


『イテテテ…』



俺は思いっ切りローの右手を握った。“潰れる位”。


『よ〜し仲直り終了』


そして、俺は去り際に笑顔でローにこう言った。



『ロー…お前の子供達を信頼する気持ちは、子供達も同じだと想うぜ』


『お前…男としては嫌な奴だけど、この子等の“父親”としては世界一かもな』
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