『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
―1時間後―



俺やJJIの子供達で作った晩御飯がテーブルを飾り、皆で俺の歓迎会を開いてくれた。



『いっただきま〜す』


“ガチャガチャ…ガチャガチャ”


“モグモグ”


“パクパク”


『美味し〜い』


『うんこれも美味しい』


『あそれ僕の〜』


『こらこら…いっぱい有るんだから』


『ほら、じゃあ私のを上げよう』


『ありがとうパパ』


(え“パパ”?…)



俺の目の前の席に座る男の子がアーサーにも“パパ”と呼んでいる事に気付いた俺は、隣に座るローに尋ねた。



『な〜?今あの子、アーサーさんの事をパパって呼んでなかったか?』


『え"?モグモグ…&%$#$#%&ババっで&なに#が?…モグモグ』


『ゴメン…食い終わってから話してくれ…食いながらじゃ何言ってるか分かりゃしない…』



すると、少し離れた席に座る男の子がアーサーにこう言っていたのが耳に入った。



『ねぇ?パパ。…今度はいつ帰って来てくれるの?』

『せっかく、ローパパが帰って来たのに…今度はアーパパが居なくなっちゃうなんて…』



寂しそうな顔でそう言ったその男の子にアーサーは笑顔でこう言った。



『大丈夫だよ。私もまたすぐにここに戻って来るから。』


『私も兄さん…いや、ローパパも、今大切なお仕事をしなきゃならないんだ。』

『分かってくれるよな?』

すると、ローの隣に座って居たリーシャも、アーサーにこう言った。



『アーパパ…それって、リーシャ達よりも大事な事?』



今にも泣き出しそうなリーシャだが、子供ながらにアーサーやローを困らせまいと、必死な言葉だったのだろう。
< 209 / 229 >

この作品をシェア

pagetop