『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
『お前も知ってるだろ?うちのシャルル様と向こうのヘンリーとの関係位は。』

『そりゃあ、あれだけ長期に渡る争いを続けてりゃあな…それくらいは、この国に住む者なら子供でも知ってるさ。』


『それで?そのシャルル様とヘンリーがどうしたんだよ?』


『いや、だからさぁ。もしこのままシャルル様に実子が出来なかった場合、シャルル様側の王族の方々は、フランス王位の権利をヘンリー側に明け渡すらしいぞ?』


『え王位をヘンリー側に明け渡す』




『シッ―お前声がデカイ』


『ゴメン。…つい…それで?もしそうなったらどうするつもりなんだ?シャルル様達は?…』


『シャルル様のヘンリー側への条件はこうだ。』


『“王位をそちら側に渡す代わりに、もう両者の争いは止め、互いに協力し合う”って話しだそうだ。』


『まぁ、この申し出をヘンリー側が断る訳が無い。実際、戦でどちらが優位に立とうが、結局のところ両者からの犠牲は後を絶たない…』


『なら一掃の事、このヘンリー側が優位な条件で手を打ちたいだろうしな。』


『そうなれば…』


『ま、でも実際はこうやってシャルル様にも実子が出来た訳だし、アイツはもう保険としてもお払い箱さ』


『じゃあ、あの子供はどうなるんだ?』


『そうだなぁ〜剣の腕は達つらしいから、上手い事丸め込まれて、軍の戦力にでもするんじゃねぇか?』


『それか…』


『それか?』


『あのガキ、元は“アレ”だろ?だから最悪その前科者って事で裁かれるかもなぁ。』



聞いてはいけない話しを聞いてしまった。



俺はその話しの内容が、あまりにも衝撃的過ぎて、ただただ固まるしか無かった。


信じていた者に裏切られた絶望…


殺されるかも知れない恐怖…


俺の頭の中にはその2つで埋め尽くされた。



“トントン”



その時、そんな俺の背後から、俺の肩を叩いてくる誰か。



『ロー様?こんな所で一体何を?…』
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