『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
そう言い放ちながら、俺の頭を目掛けて剣を振り下ろして来た。


その振り下ろして来た剣を払う様に、俺も木の枝で対抗した。



“カキーン”


“カキン”“カキン”


“ピュ〜ッ”


“ズボッ”



俺は、俺に襲い掛かって来た三人の間をくぐり抜ける様に一人、また一人と剣を交わらせながら切り抜けて行き、三人の剣は見事に折れ、地面に突き刺さった。


『おいおい。何なんだよこのガキ』


『何で、剣が木の枝に折られるんだ』



俺と剣を交えた三人は驚きと戸惑いの表情を浮かべながらそう言っていた。


すると、残った一人の盗賊はしゃがみ込むジャンヌの顎に剣を当てながら、俺に言った。



『そこまでだガキ。動くなよ動いたら、こっちの嬢ちゃんがどうなっても知らないぞ』



すると、そいつは指笛で仲間を呼び出した。



“ピーピューピー”


『うぉぉぉ〜』


『うぉぉぉ〜』


“ドタドタドタドタ”


“ドタドタドタドタ”


“ダッダダダダッダダダ”


その指笛の音を聞き、一気に集まって来た他の盗賊達。



気が付けば、俺の周りは盗賊達に囲まれていた。



(ひ〜ふ〜み〜…?)


(ん〜…ザッと40〜50人くらいってとかぁ?)


(こりゃヤバイなぁ。)



俺が自分の周りを被う盗賊達の人数に驚いて居ると、指笛を鳴らした盗賊が、笑いながら俺にこう言った。


『ハッハハハ驚いただろう俺達が何故、役人にまで恐れられてるか。』


『それはな。卑劣な作戦や、個人の実力では無く“絶対的な数”なんだよ』

(あれ?それって“質より量”って事?)
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