記憶 ―夢幻の森―

食卓には、ユリネさんとハルカの入れてくれたお茶が湯気を放つ。

全員が席に腰掛け、穏やかな緊張の時が流れていた。


「…あ…俺は…」

「君は異世界から来た、…違うかい?」

セイジさんは俺の言葉を遮って、確信をついた。

俺の、どう説明すれば良いか目まぐるしく回転させていた脳が、一瞬止まった。


…なぜ、
理解出来る?


セイジさんは語り出した。


「…私とユリネが人間の街に暮らす頃、まだハルカがお腹にいる頃…、そう予言する男の子が現れた。」

「…予言?」

俺はそれだけ聞き返し、セイジさんの言葉を待った。

落ち着きのないハルカとコンも、今だけは首をひねりながら静聴を続ける。


「男の子はこう言ったんだ。」


『今から少し遠い未来、異世界から金髪の少年が現れる。…彼が、娘さんを救うんだ…。だから、その時を待っていてくれ。』


セイジさんの言葉に、ユリネさんも笑顔で頷いた。


「それが、キースちゃんの事じゃないか?って訳なの!どう?素敵な予言でしょ?」

「…確かに、俺は異世界から来た…が…」


俺が、ハルカを救う?

俺が…?

< 52 / 221 >

この作品をシェア

pagetop