僕と君との境界線【BL】
「そっ、じゃ、史高君ね。翠もそう、呼んでるみたいだし」
――…翠とは、当然のごとく、桃井の名前だ。
僕は、ぐっと、喉の奥から反吐が出そうになるのをこらえた。
そういう、名前を呼ぶ仲なわけだな…。
しかも、桃井は僕の事を戌井に話しているようだし…。
何処まで…。
何処まで僕を不愉快にさせるんだ。
「史高、落ち着いて聞いてほしい…」
「聞いてるだろ…、さっさと話せよ。僕は忙しいんだ…」
桃井は僕の態度に困惑しているようだった。
桃井の伏せた睫毛が、震えている。
でも、そんなの僕だって同じだ。
ていうか――…、僕の方が泣きたいんだ。
叫んで罵って、できるなら、そうしたい…。