風のおとしもの。
「とんでもないお人よしだったんだな、お前」
「へ?」
「他所まで世話してたらあーなるわな」
そういや小鳥遊のことべたべた触ってたおっさんの中に元気そうなやつもいたな。
俺らのいた病棟は精神を病んだ患者や末期の患者が多かった。
「あの時はどうにか罪滅ぼしがしたかったんです。それで目の前で困っている人皆に声を掛けていました」
「罪滅ぼし?」
「……私、最低な人間なんです」
小鳥遊の表情が曇る。
「今も、佳代さんたちにひどいことしました」
「……何かあったのか?」
「お友達になれると思いました。そんなハズ、ないのに」
「は……?」
「私がいなければ三人とも仲良しのままで、楽しく過ごせたハズです」
小鳥遊はスカートの裾を握り締めて吐き出す。
「私さえいなければ、全て上手くいったんです……お母さんだってそう、私さえいなければ…!」
「小鳥遊……」
佳代はお前と仲直りしたがってる。
藤沢もお前を守ってくれただろ。
母さんにも付きっ切りで傍にいて、世話してやってただろ?
「私がいけないんです、ごめんなさい……っ」
何がお前を追い詰めてるんだ?
それにそんな苦しそうな顔してんのに、なんで泣かないでいられるんだ。