風のおとしもの。
***
私は、こんなにも弱い人間だったでしょうか。
「小鳥遊」
「はい」
「帰っぞ」
「…はい」
また差し延べられた手を取った。
これじゃ佳代さんたちの時と同じだ。
…でも、村井君なら大丈夫なんじゃないかって、心の隅で囁く声に負けた。
「ちょ、鷹文」
「なんだよ」
「何って……」
「用がないなら話し掛けんな。…行くぞ」
こくりと頷いて村井君の後に続く。
佳代さんの前で、最低なことしてる。
こうなるのわかってたのに、なんで?
……私、村井君をとられたくなかった。
「どーゆうことなの?ねぇ、ねぇってば!」
ずっと気付かなかった。
私も村井君に独占欲があるんだ。
佳代さんみたいに恋愛感情なのかはわからない。
ただ確かなのは、独り占めしたいと思う気持ち。
「……卑しいな」
「ん?」
「いえ、なんでもないです」
「…言いたいことあったら言えよ。どんなくだんねぇことでも聞いてやるから」
「ありがとうございます」
どう転んでも、私は最低なクズだ。