風のおとしもの。




それから村井君とメールするようになった。

いつの授業を選択したとか、他愛のない話とか。
夏期講習なんて興味ないハズなのに、私が登校する日は必ず来てくれる。



「小鳥遊さんさぁ、あの村井君と付き合ってるらしいよ」

「脅されてるとかじゃなくて?」

「なんかそーでもないみたいなの」


それは嬉しいのに、クラス以外でも変に噂されていることが嫌だ。
村井君に申し訳なくなる。


「……どーしたんだよ」

「へ?」

「ここ、皺出来てんぞ」

「あぅっ」


帰り道、村井君に眉間を指で押される。


「なんかあったのか?」

「いえ、その……」

「隠すなよ」

「そんなんじゃないです」

「じゃあ白状しろ」


澄まして言う村井君は、どこか楽しそうで。
……尚更言いづらい…。


「………あの、学校で変な噂を聞いて…」

「あぁ、それか」

「村井君、知ってたんですか?」

「あいつらそーゆーの大好きだからなぁ」


村井君は笑った。
目は少しも笑ってないのがちょっと怖い。




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