風のおとしもの。



…ほっ、本当にいいのでしょうか!?

嬉しい。
嬉しいですっ。


「嫌なら別にいいんだけどよ―――」
「嫌じゃないです、嬉しいです!」


勢いづいて身を乗り出すと、村井君は目をぱちくりさせた。


「………ふっ、そうかそうか。なら構ってやるよ」

「はい!」


素敵な夏休みになりそうです!
楽しみだなぁ。


「どっか行きたいとこあるか?」

「えっと、夏祭りに行ってみたいです!あ、花火もいいな……」


それからカラオケと、駅前に出来たカフェと、海も!
あと、それと…。
…………。


「どうした?」

「ぁ、いえ…」


…全部、佳代さんたちと計画してたとこだ。


「小鳥遊?」

「……やっぱりいいです。村井君、お家のお手伝いもありますし」


いつだってそれなりにやってきたじゃない。
友達って言っても大して仲が良い子がいたわけじゃないから、夏休みもほとんど一人だったし。


「だから、大丈夫です」

「まぁ…お前がそう言うならいいけどよ」

「はい」

「無理してないか?」

「はいっ」

「…そうか」


今日のお昼ご飯は、しょっぱい気分になってしまいました。
これで良かったんだよね。
夏休みは将来について考えようかな。
村井君を見習おう。





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