風のおとしもの。
「雛、お疲れ様」
「……?」
「今日で夏期講習終わりでしょ、だから」
「あぁ…お疲れ様でした」
帰りにぼんやりしていると佳代さんに話し掛けられた。
考え事してると動作も緩慢になってダメだ。
「…前さ、夏祭り行こうって言ってたじゃん?休み入る前に雛の予定聞いときたいなって」
「ぇ…」
「ここの3日間なんだけどさ」
佳代さんは夏祭りのチラシを見せてくれた。
「ダメな日あったら教えてな」
なんで笑うの?
私、今までたくさん酷いことしてきてるのに。
「ぁの…」
喉が乾いて声が掠れる。
ごくりと唾液を飲み込むけど、唇の乾きまでは潤わない。
「雛乃」
「里香、さん…」
「私たちのことが嫌になったんなら、断ってくれていい」
「………」
嫌になんてなれるわけない。
でもダメなんだ。きっと繰り返してしまう。
「その聞き方は卑怯なんじゃねぇの?」
「村井…」
言いあぐねていると後ろには村井君が立っていた。