風のおとしもの。








「雛、お疲れ様」

「……?」

「今日で夏期講習終わりでしょ、だから」

「あぁ…お疲れ様でした」


帰りにぼんやりしていると佳代さんに話し掛けられた。
考え事してると動作も緩慢になってダメだ。


「…前さ、夏祭り行こうって言ってたじゃん?休み入る前に雛の予定聞いときたいなって」

「ぇ…」

「ここの3日間なんだけどさ」


佳代さんは夏祭りのチラシを見せてくれた。


「ダメな日あったら教えてな」


なんで笑うの?
私、今までたくさん酷いことしてきてるのに。


「ぁの…」


喉が乾いて声が掠れる。
ごくりと唾液を飲み込むけど、唇の乾きまでは潤わない。


「雛乃」

「里香、さん…」

「私たちのことが嫌になったんなら、断ってくれていい」

「………」


嫌になんてなれるわけない。
でもダメなんだ。きっと繰り返してしまう。


「その聞き方は卑怯なんじゃねぇの?」

「村井…」


言いあぐねていると後ろには村井君が立っていた。





< 318 / 382 >

この作品をシェア

pagetop