風のおとしもの。







「……お前、あいつが全ての元凶じゃなかったか?」

「?」

「いや、早乙女…」


確かに美紀さんには嫌われていますが、全ての元凶は私です。
そんなこと言うとデコピンが飛んできそうなので言いませんが…。


「あんまりにこにこされていたので、つられ笑いしてしまいました」

「…そうか」


下駄箱で靴を履き替える。
グラウンドからは二年生が部活している声が聞こえてくる。
三年生も混じって、夏の大会に向けて練習してるみたい。


「なんか一方的に話しちまって悪かったな」

「いえ、助かりました」

「…あいつらと行きたかったか?」


思わぬ問い掛けに村井君を見つめてしまった。
村井君は人の心を読む能力を持っているのかもしれません。


「……いいんです。私がいないことの方が普通だったんですから」


それに今は村井君が傍に居てくれる。
それだけで幸せ。


「………3日間、どこ行きたいか考えとけよ」

「へ?」


分かれ道まで来ると、村井君がぶっきらぼうに言った。


「絶対ぇ予定空けとけよ、迎えに行くから」

「でも…」

「お前に拒否権はない」

「ぅえっ」

「じゃーな」

「ぁ、村井君!」


ふいっと背を向け、すたすたと行ってしまう。




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