風のおとしもの。
あの日から美紀さんとはメールのやりとりが多くなり、何度か遊ぶようにもなった。
一番毛嫌いされていたのに、不思議なものです。
「あっつー!日差しはお肌の大敵だよぉ」
「どこか日陰に入りましょうか」
「あーっ、なら美紀あそこの服屋さん行く~☆」
「ちょ、美紀さんっ」
…相変わらず自由な人ですが。
暑いのによく走ります。
「夏の新作だってぇ☆かぁわいいなぁ」
「はぁ…」
フリフリの服が好きみたいで、美紀さんはよくフリルの付いた服を着ている。
このお店もピンク色でフリルやリボンの付いた服が多い。
「雛ちゃんもこーゆーの着てみたら?」
「結構です」
「ちぇー」
きっぱりと断り、店内を見回した。
…私、場違いって感じだなぁ。
あ、お店の名前見とこ。
美紀さんは私がブランドなどわからないのを気遣って話してくれることが多いので、なるべく覚えるようにしている。
「これ試着して来るねっ☆」
「ぅえっ、ちょ、美紀さん!?」
「お姉さ~ん♪」
伸ばした右手は、美紀さんの目に入らなかった。
空中でさ迷い、試着室内に消えていく美紀さんに見捨てられる。
こんな愛らしいお店の中に置いて行かないで下さい!!
「どっ、どうしよ…」
涼しいはずの店内でだらだらと汗が出てくる。
だって私、ジーパンにTシャツだよ?
せめてスカートにしてくれば良かった……っ。