風のおとしもの。
「それ可愛いですよね~」
「はひっ」
何気なく手にしていた服を指差される。
急に話し掛けられて驚くと、店員さんも驚いたみたいだった。
「すみません、驚かしちゃいました?」
「いっ、いえ……」
「これ試着されます?」
「いえ、あの…」
「どんなの探してるんですか?」
「あっ、あっ……」
ぱくぱく。
口だけが動いて会話が出来てない。
どうしようどうしようどうしよう!
なけなしの頭で思索する。
こういう時はどうすればいいんだろ…っ。
「あっ、あの!あまりフリフリしてないやつを……っ」
言ってから後悔する。
ああああああ!
ここってそれがメインでしょ!?
馬鹿馬鹿馬鹿!
「ん~、そうですねぇ」
「あっ、あのでも、女の子らしい格好が、したくて」
慌てて取り繕う。
焦っていると店員さんはちょっとお待ち下さいと言い、奥へ歩いていった。
うぅ……。
やっぱり慣れないなぁ…。
「お待たせしました」
「ぅひっ」
また苦笑いされてしまいました…。