風のおとしもの。


「それ可愛いですよね~」

「はひっ」


何気なく手にしていた服を指差される。
急に話し掛けられて驚くと、店員さんも驚いたみたいだった。


「すみません、驚かしちゃいました?」

「いっ、いえ……」

「これ試着されます?」

「いえ、あの…」

「どんなの探してるんですか?」

「あっ、あっ……」


ぱくぱく。
口だけが動いて会話が出来てない。

どうしようどうしようどうしよう!
なけなしの頭で思索する。
こういう時はどうすればいいんだろ…っ。


「あっ、あの!あまりフリフリしてないやつを……っ」


言ってから後悔する。

ああああああ!
ここってそれがメインでしょ!?
馬鹿馬鹿馬鹿!


「ん~、そうですねぇ」

「あっ、あのでも、女の子らしい格好が、したくて」


慌てて取り繕う。
焦っていると店員さんはちょっとお待ち下さいと言い、奥へ歩いていった。

うぅ……。
やっぱり慣れないなぁ…。


「お待たせしました」

「ぅひっ」


また苦笑いされてしまいました…。



< 336 / 382 >

この作品をシェア

pagetop