風のおとしもの。


「……美紀さんは、佳代さんのことが好きなんですか?」

「は?当たり前じゃん」

「あぁいえ、そういうのではなくて……」

「…………なんかキモいこと想像してるわけ?」


美紀さんの大きな目がすっとすぼめられる。
なっ、なんて凶悪な顔なんでしょう…。
学校で拒絶されていた頃を思い出す。
…ぁ……何か込み上げてくる。


「美紀は可愛い女の子なの!純ノーマル!!」

「そっ、そうですか。失礼しました」

「マジ意味わかんない、雛ちゃんキモい!」

「ごめんなさぃ……」

「どーやったらその発想に行き着くのよ!?」

「すみません……」

「気分悪い!!」

「返す言葉もありません……」


むすっとそっぽを向く美紀さんは、腕を組んでため息をついた。
こんなに怒られるとは思わなくて縮こまってしまう。

ギスギスした雰囲気に泣きそうになる。
覆水盆に返らずとはよく言ったものです…。


「……誰に入れ知恵されたのか知らないけどさぁ、あんまそーゆーこと言わない方がいーよ」

「はい…」

「………」
「………」

「……もー、悪かったって」

「…へ?」

「言い過ぎた」

「ぁ…いえ、私も、すみませんでした…」

「美紀そんな怖かった?」

「………学校でのことを思い出しました」

「……ごめんてば」


頬を膨らませて机に寄り掛かる。
いつもの美紀さんだ。

そういえば聞いたことなかったけど、美紀さんてまだ私のこと嫌いなのかな。
考えてみて、がくりと肩が落ちた。

……それってすごく辛いです。


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