風のおとしもの。



「こっちの話ぃ☆……まぁこれで雛ちゃんが村井に片思いなのはわかったよねぇ」

「そんなじゃないです」

「何意地張ってんの?」

「……そんなんじゃ、ないんです」

「…雛ちゃんさー、また自分みたいなのはーとか考えてんの?」

「違います!…そうじゃなくて……」

「なくて?」

「………」


佳代さんが嫌な気持ちになるかもしれないから。
今でさえそうさせているハズなのに、それ以上を望むことなんておこがましい。

……そして何より、村井君との関係に終わりがきてしまうことが怖い。
今は美紀さんと仲直り出来たけど、村井君ほど信頼出来るお友達はいない。
その村井君とギクシャクしてしまうのが嫌だ。



………あれ?
私、村井君のこと好きなの前提で考えてた?


「もぉー、黙ってちゃわかんないでしょー?」

「ぁ、すみません…」


ドキドキドキ。

あっ、あれ?血が上ってくる。
顔が熱い。
鼓動がうるさい。


「あいつのどこが良いのかわかんないけどぉ、好きなら頑張りなよ☆」

「は、はぃ……」

「んふふぅ、デートで悩むことあったらまたメールなさい♪」


まるで自分のことのように楽しむ美紀さん。
親身になって下さるのは嬉しいですが、絶対に冷やかしが入るのが嫌です…。
揚々と別れを告げられ、耳から携帯を離す。


「ちょっと、おさまってきた……」


なんでこんなにドキドキするんだろ。
なんて。

いくら鈍感な私でも、気付いてしまう。
私、村井君のこと………。



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