風のおとしもの。


「今日は暑いし、そうめんにしようか?」

「はい」

「ふふ、なら準備出来たらまた呼ぶわね」

「いえ、私もお手伝いします」


そうめんなら手伝えるハズだ。
前に茹ですぎてドロドロさせてしまったことがあるけど、もう大丈夫です。
…多分。


「そう?じゃあお願いしようかしら」

「はいっ」




「そういえばひーちゃん、今夏祭りがやってるみたいよ」


今回はおばさんが隣りで見ていてくれたので、良い頃合いで茹で上げられた。
冷蔵庫で冷やしておいたおばさん特製のつゆで食べると、いくらでも食べられてしまいそうです。


「その、私も今日、お友達と行こうかなと思ってるんです」

「いつもの子?」

「いえ、今日は別のお友達です」

「まぁそうなの。気をつけてね」

「はい」


お友達だけど、男の子と二人だけ……。
というのは言っておくべきなんでしょうか。

いえ、別に特別何かするわけではありませんし。
美紀さんと一緒でお友達だから、えっと…。
うぅ……。


「そういえば、浴衣は着ていくの?」

「はっ」


おそうめんの美味しさにすっかり失念していました!
そうだ、着れないんだ…。


「着ていくなら、着せてあげるわよ」

「そんなお手数なことは……」

「雛ちゃん一人で着れるの?」

「あぁ……いえ、今奮闘していまして…」

「途中で着崩れちゃったら大変だし、おばさんに任せて」

「でも……」


あんなに手間のかかることをお願いするのは厚かまし過ぎる。


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