風のおとしもの。
「変なところで遠慮しないのっ。ね?」
「……はい」
「食べ終わったら一人での着方も教えてあげる」
「お願いします」
こんなに言ってくれるおばさんを断り続けるのは逆に申し訳なくて、着せてもらうことにした。
箸を置いて姿勢を正し、しっかり礼をする。
ふふっと笑うおばさんは、楽しみだわぁと呟いた。
「何色の浴衣なの?」
「橙で、桜が入っています」
「まぁ」
食事を終え、二階の自室へ向かう。
………ん?
何か大切なことを忘れているような…。
「ぁ……」
「それじゃ、入るわね」
おばさんが戸に手をかけたところで青ざめる。
今部屋の中って―――!
「ま、待って下さい!」
「へ?」
制止も空しく、おばさんは戸を開けてしまった。
「まぁ……」