風のおとしもの。





「少し遅れてしまったでしょうか…」


いつもの分かれ道で待ち合わせしたのですが……。
よかった、まだ来てないみたい。

巾着をぶら下げて携帯を見る。
なんだかそわそわします。



「悪ぃ、遅れた…っ」


携帯をいじっていると、声がした。
村井君が息を切らしてこちらに向かって来る。


「出掛けに親父に捕まってさ…」

「いえ、私も今着いたばかりなので」


息を整える村井君に歩み寄る。
下駄ってちょっと歩きづらいかも。


「………まぁ、予想はしてたけど…」


カラカラと地面を擦って近寄ると、不意に目を反らされた。


「あの…変だったでしょうか……?」


ダメだったかなぁ。
おばさんに綺麗にしてもらったから大丈夫だと思うんだけど…。


「…いや、似合ってんじゃね?」

「そう、ですか?」

「ああ」


頭をかく。
あれ、困ってる?


「……なんだよ」

「はっ」


表情を見たくて無意識に村井君を覗き込んでいた。
…あれ、赤い?


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