風のおとしもの。




「やっぱ今日は多いな」

「はぐれてしまいそうです…」


着いたは良いものの、人の多さに唖然とした。
昔お母さんと来たお祭りとは全然違う。


「…離すなよ」

「はいっ」

「締めすぎ」

「す、すみません!痛かったですか?」

「そうじゃねぇよ…」


ぎゅっと村井君の腕に両腕を絡めると批難される。
左手で後ろ頭を押さえる村井君はまた視線を反らした。

……これは。
もしかして照れてるのかな?


「えいっ」


村井君に構わず腕を絡めると、ぎょっとした目で見られた。


「なっ……」

「これ嫌ですか?」

「嫌っつか、あのさ……あー…」

「恥ずかしい?」

「~~~~っ!」


背の高い村井君を見上げて尋ねると、一気に耳まで赤くなった。


「お前なぁ!」

「ふふふ」

「っお前は何も思わないのかよ!?」

「村井君が私の代わりに照れてくれるので」

「…っ」

「それに村井君が腕に捕まるようにしてくれたんじゃないですか」

「や、それは良いんだよ。そうじゃなくて…」

「?」


もごもごする村井君。
何が恥ずかしかったんでしょうか?
少し検討違いをしてしまったみたいです。

すすっと手を引くと、村井君は小さくため息をついた。


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