風のおとしもの。
「ね~ぇ、君一人?」
妙に馴れ馴れしく話し掛けられたので知り合いかと思ったけど、そうでもない。
「いえ、お友達を待たせていて……」
「それお友達の分?優しいねぇ」
なんでしょう……?
何か困っている―――風には見えない。
「ねー、俺達と回らない?」
「いえですから、お友達を待たせていて……」
「その友達も一緒にさ」
「あの、いきなりそんなこと言われましても…」
ごめんなさいと頭を下げ、脇を通り抜けようとすると、肩を捕まれてしまった。
「そんな冷たいこと言わずにさぁ、ね?」
「これ、冷めないうちに届けたいから…」
「じゃあ俺らも一緒に行くし」
「ぅえっ、それは……」
そんなことしたら村井君に怒られてしまいそうだ。
せっかくのお祭りだし、それは避けたい。
困っていると、今度は後ろから声がした。
「ちょっとお兄さん達、やめたげなよ」