小学生がいる
 部屋の中に誰かがいる。

そんな錯覚が静香の脳裏をよぎる。

しかし、しっかりと鍵をかけてあるアパートに誰かが侵入することは不可能なことだが不安に襲われた静香には冷静になれる余裕はなかった。

ましてやアルバイトの帰り道に超常的な不思議な小学生を目撃してしまっている晩なのである。

いくら部屋に鍵をしっかりとかけたとしても超常的ななにかが現れたとしてもおかしくはないのだった。

 不安と恐怖が渦巻く中で静香は少しだけ目を開けてみることにした。

布団から顔を出して様子を窺う。

暗闇の中に部屋の家具のシルエットが浮かぶ。

人がそこに立っているという光景はそこにはなかった。

当然といえば当然といえる。

鍵をかけてある部屋には誰も入ってくることはできない。
< 17 / 28 >

この作品をシェア

pagetop