小学生がいる
 人がいないことにいくらかの安堵を覚えた静香は闇の中で部屋を見渡した。

少しずつ、ほんの少しずつ目が闇に慣れてくると部屋の押入れがわずかに開いていることに気がついた。

そのわずかに開かれた押入れの隙間から妙に人の視線を感じるのである。

見てはいけないという思いとは裏腹に瞳はその押入れの開かれた奥へと向けられてしまう。

そこには小学生くらいの子供の顔が隠れていた。

真っ白な顔に無表情な黒い穴のような瞳、そして異様に赤い唇。

凍りついたかのように静香をじっと見ていた小学生くらいの子供のその赤い唇が笑ったかのように歪んだ時、静香は意識を失っていた。
< 18 / 28 >

この作品をシェア

pagetop