この世界で二度きみを殺す
そこでちさとを抱かかえた時、盗聴器が発見された。


姉さんはこれを逆に利用してやり、犯人を導き出す方法を思いつく。




自分が、ちさとのふりをすることを。


殺したはずの人間が生き返れば、間違いなく混乱は得られる。




盗聴器を襟裏に仕込ませられるという時点で、犯人の身元はかなりピンポイントに絞られた。


ちさとの顔を知っていて、尚且つ制服に触れる機会がある人間。


――学校の人間だ。


そしてこの作戦を実行するには、少しの間ちさとに隠れていてもらわねばならない。


もちろん家族も騙す必要があるわけで、その接触は最小限に留めていた。



その間、姉さんは毎日庭の紫陽花と氷を添えた。


その間、僕は姉さんから聞いた二人の過去を軸に犯人を探る事にした。



すぐに尾がつかめるとは思ってなかったけれど。



過去の事件の被害者が、実は三人だったこと。


そのうちの一人は、あの、進藤さんのお母さんだったということ。



もしかして、と思った。


すぐにピンときた。



そうして犯人との、進藤さんとの接触に繋がり、進藤さんは殺人及び死体遺棄罪で逮捕された。


これで僕らの犯人探しは幕を閉じたわけだ。





…けれど。
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