私に恋を教えてくれてありがとう【下】
彼女は花火の様な目の持ち主。

この瞬間で少なくとも10発は打ち上げている。


目も髪も艶やかな漆黒で

どこか体中に宝石の輝きを隠しているのであろう

この改札口から出てきたのは

百合ひとりだけに見えた。



しかし、口を開いてしまえば

出てくるものは魑魅魍魎。


華子はそんなところに魅かれている。



背格好は自分と一寸も変わらないが

性格が何寸違うかはかってみたい。


膨大な数値になるであろう。



そんな彼女とは高校からの付き合いで、華子としてはとても貴重な存在だ。


彼女に対し、華子は正直に話さなければいけない義務感を感じていたし

尚且つ

すべてを吐き出せるのは

百合しかいないと思っていた。
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