愛のない世界
彩香は泣きながら、更に自分自身に言い訳をする。



― 行きずりの男と、一夜限りの関係、何が悪い。


傷付くのは、私なんだ。


だから別にいーじゃん。


私がいーんだから、いーんだ。


他人には関係ないし、誰にも迷惑を掛けてない。


だから、私のコトはホっておいて。


もう構わないで、一人にしておいて。


一人にしておいて。


お願いだから… ―



言い訳をすればする程、自分が惨めに感じる。


そんな自分に、彩香はまた傷付いた…




何が良くて、何が悪い。

そんなコトすら、彩香は分からなくなっていた…




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