年上女ですが…それが何か???
でも言われてみれば……
苦笑してるコータ君をまじまじと見つめる。
「に、似てる……かも」
「そう?」
うん、確かに似てる。
ショーの時に会った朱里さんのあの圧倒的な存在感とか。
人を惹きつけて止まない切れ長の瞳とか。
綺麗に整った鼻筋とか。
「うん、朱里さんだ……」
あ、でも……
「口元は違うね」
薄めの唇を指でちょんと突つく。
朱里さんの唇は魅惑的なぽってり唇だった。
真っ赤なルージュがよく似合ってたのを思い出す。
コータ君の唇はどちらかというと薄め。
私のモロ好み。
「あー…、だね。 朱里にもよく言われた。口は父親似ねって」
コータ君の父親……
そのキーワードにドクンと胸が高鳴った。
それはつまり……
世間では知られてない、朱里さんの恋の相手ってわけで。
コータ君がお腹に出来ても公表しなかった相手、だよね?
………やばい、気になる。
でもでも、そんなデリケートな部分を私が聞くわけには……
「くすっ…、父親が誰か気になる?」
図星を突かれて思わず所在なげに視線をさ迷わせると、またくすっと小さく笑ったコータ君は、私を覗き込むように首をかしげてみせた。
「その前に……言わせて。
俺の気持ち……」
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