年上女ですが…それが何か???






でもさすがに今聞いた歌を無視するわけにもいかなくて。






「……歌……上手いじゃん…」






私がぽつりと呟くと、コータ君は「どうも」とだけ言って黙り込んだ。






なんか調子狂うな……






もっとふざけた返事が返ってくると思っていた私は、覗いていた鏡から視線をずらしてこっそり様子を伺う。






………なっ…!?






そこには、予想を裏切る表情をしたコータ君が居て。






「なに照れてんの?」



「〜〜〜っ」






私が笑いながらからかうと、口元を手で覆ったままコータ君はギロリとこちらを睨んでくる。







「はっは〜ん、褒められると萎縮するタイプだな?
もっと言ってあげようか?
歌は上手いし、声もいいし、顔は文句なくイケメンだし、スタイルもいいし、あとは…」



「…っ……もういいよ」



「あら、遠慮するんじゃないわよ」






こんな楽しいイジメ方があったなんて意外だわ〜。






ふふふっ…
次は何を言ってあげようかな……






今や完全に腕で顔を隠してしまったコータ君を、上から下まで舐めるように見ながら私がニヤニヤしていると−−−
(↑エロ親父?)






「……それ以上言うと、犯すよ?」






背筋にゾクリと痺れが走るほど欲情的な声で、そう囁いた。







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