年上女ですが…それが何か???






私が運転する車で着いたマンション。






それは当たり前にコータ君家なんだけれど。






もう3回目になるというのに、開いた玄関の向こうに見えたコータ君の居住空間に、やたら緊張してしまった。





「何してるの?上がってよ」



「え、あ、うん……」






そう声を掛けられてはっとしながら仕事用のスニーカーを脱ぐと、私はまるで初めて上がるお宅のような気持ちになりながらコータ君の後に続いた。






「コーヒーでいいよね?」



「は、…はい」



「どうしたの?明さん。
その口調、なんだかまるでこの前の朝みたいだよ?」






コータ君にバレてしまうくらい、リビングに入った私の緊張はピークに達してしまったらしい。






カウンターの向こうからクスクスと笑う声がする。







あー…もうっ。





自分でもこんな自分が情けないと思う。






8歳も年上のくせに……






だけど、その広い背中を見ながら、






余裕なんて微塵も失くなるほど私ってば“好き”なんだなぁ……






なんて思わず考えてしまって、さらに緊張が増してしまった。






うわぁぁ、私のバカバカバカ!!






自爆してどうすんのよ〜!!!








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